「だめ!」とは言わずに、コントロール。 禁止行為のリ・デザイン。

2015年10月21日
強制よりも大切。「思わずしてしまう!!」

MRDでは常々こう考えています、例えば【集客】においてならば「集める」のではなく「集まる(思わず集まってしまう)」ほうが良いと。そのほうが自然で心地よいからです。禁止事項においても同じです。「これは禁止だ!やってはいけないよ」と言われても、それは一方的な命令なわけで、強制です。強制ってイヤですね。どちらかと言えば不快な部類です。できれば自発的な方がいい。思わず、〜したくなってしまった。思わず、〜してしまった。そのほうが素敵です。そんな「強制をリ・デザインした例」をご紹介しましょう。

ポイ捨てを劇的に減らした「看板」

リンク先の画像をご覧ください。これは環境問題に取り組むイギリスのNPO団体「Hubbub」がつくった投票箱です。町を歩く人たちは自分のタバコの吸い殻で投票できます。質問は誰もが関心をもつスポーツの話題。例えば「現在、世界最高のプレイヤーと言ったらどっち?」選択肢はロナウド/メッシという具合です。質問は週替わり。これなら楽しい上に、路上ポイ捨ても同時に減らすことができます。「Hubbub」は、このユーモア抜群、画期的な戦略でロンドンの街からタバコのポイ捨てをなくそうとしています。

マーケティング理論で作られた「床」

最初のケースが「ポイ捨て禁止行動」のリ・デザインだとすると、もうひとつは「廊下を走るのは禁止」のリ・デザインケースです。こちらは、カーペットデザインを専門とする「Ege carpets」の作品。パリの「Fnac La Défense」という店のためにつくられたもので、ご覧の通り、走るのをためらわせるのに十分な視覚デザインです。Ege carpetsの投稿によれば「床は平ら。しかし、お客はゆっくり歩くことになり、結果、店で商品を見て過ごす時間が長くなる。そして、くぼみに見える場所を避けて歩くようになるが、そこには別の“穴”が待っている」。商品が陳列されている棚こそが、本当の“穴”だとする狙い。彼らに言わせると、このデザインはマーケティング(見てもらいたい商品棚に導く作戦)だと言うのです。とてもクレバーで、すてきな作戦ですね。

「なぜ?」を追い求めることの重要性

両者に共通しているのは発想の豊かさであり、独特な視点です。その発想・視点の原点は、おそらく「なぜ?」を突き詰めて考えていることだと推測します。人はなぜポイ捨てをしてしまうのか?なぜ廊下を走ってしまうのか?なぜ、止められないのか?その点を追究した結果として「自然とポイ捨てしなくなる」「自然と走らなくなる」というアイデアが生まれたんだろうと思います。

ひとりよがり禁止。思い込み禁止

常に対象者の気持ちになって考えてみる姿勢が大切になってきます。斬新なアイデアを生み出したければ、ひとりよがりと、思い込みは絶対に禁止です。(終)

引用先表示 今回の記事は、次の2つのサイト情報を元に作られています。

タバコのポイ捨てを、劇的に減らした「看板」。その斬新すぎる仕掛けとは?/平野星良/http://tabi-labo.com/180482/litteringtovote/Licensed material used with permission by Elle Mcall

「お客が店内を走らなくなった床?」いいえ、マーケティングです/The Huffington Post/執筆者:和田千才/http://www.huffingtonpost.jp/2015/05/30/3d-printing-carpet-marketing-tool_n_7474368.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001

禁止行為のリ・デザイン。
禁止行為のリ・デザイン
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