NPO法人東北笑生会主催露の新治独演会@深川江戸資料館




昔のパンフレット部分には大ベテランの若かりしお顔が並ぶ。

噺の背景がよくわかるし、すてきな思い出の品・お土産に。

NPO法人東北笑生会主催露の新治独演会深川江戸資料館


露の新幸:「(東の旅の噺)」

露の新治:「兵庫船(西の旅の噺)」

露の新幸:「時うどん」

露の新治:「ちりとてちん」

柳家さん喬:「笠碁」

―仲入り―

さん喬・新治/トーク

露の新治:「大丸屋騒動」



今日は待ちに待った露の新治師匠の東京での独演会。補助席まで出る満員御礼。上方拠点の師匠の場合、機会が少ないので大変貴重だ。全体の感想から言えば、もう大満足。最初はプログラムを見て、たっぷり過ぎるかな?お腹いっぱいになり過ぎるのではないか?と思ったけど、そうじゃなかった。大満足だった。


18時30分の開演なのだが、18時15分頃から新治師匠のお弟子さん・新幸さんによる開口一番。「埃鎮め(ほこりしずめ)」「叩き」と呼ぶのだそうで。


がやがやしている客席に登壇し、張り扇、小拍子で賑やかな上方落語「東の旅」。噺を聞くムードづくりですね。徐々に雰囲気を作っていき、がやがやしている客席も次第に静かになっていき…。お客たちを落語会の世界に集中させていく「埃鎮め」。素敵な言い方です。


満を持して登場、新治師匠。先ほどの噺に対抗して、「兵庫船(西の旅の噺)」。フカの説明から入ったので「鮫講釈」かと思ったけど違った。要するに「桑名船」だった。軽めに、まず一席。はめものが良い。上方落語のここは大好き。


「埃鎮め」では測れなかったがこの「時うどん」で新幸さんの真の実力がわかりました。おもしろかったんだもの、この「時うどん」。東京の「時そば」が落語家によってアレンジされているのに対し、正統派「時うどん」。間の抜けた弟分の“ひとり気ちがい”パートが偉いおもしろく。


新治師匠の二席目は「ちりとてちん」。まずは出囃子の噺から。東京では柳家権太楼師匠と被るから使うのに気を使う「金比羅船々」。鈴本に出た際は露の慎悟師匠から許可を頂いた「堀江の盆踊り」をかけたなど。新種の食い物「チリーン・ア・トン・テンチン」がいまだに耳から離れません。


ゲストはさん喬師匠。「関西で、上方の噺家さんの間に出るのは苦じゃないけど、こうして東京で上方の噺家さんの間に出るのは嫌だ」と愚痴から。出囃子もそうだし、多くの江戸落語のネタは上方落語が発祥だというマクラ、新治師匠との間柄を振ってからの「笠碁」。う~ん、痺れまくる。


というのも、この「笠碁」も師匠のマクラにもあったように上方落語のネタで東京に移植されたネタの一つ。しかも、囲碁が題材、「友情」がテーマの人情噺で、しかも、原話は初代・露の五郎兵衛師匠の「軽口露がはなし」。(ちなみに現在、新治師匠は「露新軽口噺」を展開中。下記参照↓)


この初代・露の五郎兵衛師匠は、新治師匠の師匠だし、このネタを上方から持ってきたのは3代目・柳家小さん師匠(さん喬師匠の師匠)だし。で、もうこのネタだしの背景が深くて深くて、バックストーリーが濃すぎて濃すぎて、もう落語ファンには溜まらん一席ですわ!


この「笠碁」に、静寂を操る男・柳家さん喬の真骨頂を見た。これだけでも、もうすごいおおご馳走。いや、まじで来てよかった。さすがだわ、さん喬師匠。


仲入り後はさん喬・新治両師匠によるトーク。東北支援活動の一環の会だけに震災の話。さん喬さんがあの時を語る。普通に暮らせることが本当に大切/根っこがあれば花は必ず咲く/軽々しく慰問なんてできない/震災でショックを受けた子供たちに対し、その後のケアも大切/上から目線で復興を語るべからずなど等。とにかく風化させちゃいけない!


大トリは初めて聞くネタ「大丸屋騒動」。先入観なく、最初は「胴乱の幸助」的噺なのかな?と思って聞いていたけど、全然違った。狂気を孕んだストーリーで、新治師匠の表情や仕草に背筋が寒くなる。舞台装置~鳴り物・お三味線~が完璧連動。効果抜群。グイグイ、グイグイ引き込まれた。しかし、最後は落語らしく落としてくれて。その落差たるや!これぞ、落語。笑二さんの言う、これが「歯ごたえのある噺」なのだろうな。大満足 of 大満足。次回はいつだろう。今から気になる。


最後に。スタンプラリーという仕掛け(システム)は、素晴らしい。どの落語家さんも真似すればよいと思う。自分のモチベーション維持装置になるだろうし、第一に、お客(その落語家のファン)がうれしい。集めたくなる。コンプリートしたくなる。主催者問わず、その落語家さんを追っかけたくなる絶妙なシステム。俺は新治師匠ファン歴が浅いから、まだ9席。


スタンプラリーのリーフレット(A4三つ折り)の表面

こんなん、コンプリートしたくなるやん!関西に聞きに行きたいし、もっと東京でも会を開いてほしい。

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