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裏研精会 昇々トリビュート2

裏研精会~昇々トリビュート2~

日本橋社会教育会館ホール


春風亭きいち:「お面接」

入船亭遊京:「そうおん!」

古今亭志ん吉:「待ちわびて」

春風亭正太郎:「部長の娘」

―お仲入り―

入船亭小辰:「誰にでも青春~番外編~」

春風亭昇々:「生徒と先生」



待ちに待った「裏研精会~昇々トリビュート2~」。絶対に来たかったのだ。だって、面白くなるのがわかっていたから。


演者全員が円丈師匠のネタをかけた「実験落語neoシブヤ炎上まつり2018」は勿論、志ん五さんの新作を皆で演じた「せめ達磨古今亭志ん五作品集」など、「他の人がつくった新作を、他の噺家が演じるパターンに外れナシの法則」と俺としてはひたすら信じているからなのだ。


異論は認める。だが、俺は信じている。何とも言えない落語科学反応がたまらないのだ。面白くなることは勿論、例えぐだぐだになったとしても、それは意外性・予期できない未来として溜まらなく俺を刺激するし、楽しい時間なのだ。


ベテラン真打の高座はお金を出せば見れる。いやらしい言い方をすれば、それは「金を出せば“確実に楽しい落語の時間”を買える」ということに他ならない。楽しませてもらえること予測可能な楽しい時間。外れのない、失敗率の低い、限りなく楽しいに決まっている時間。それはそれでとても大事だし必要な時間。


しかし、二つ目さんは違う。予測不能。それが溜まらなく良い。しかも、今回のような他人の噺をやるというケースなら、なおさらだ。もっと予測不可能だ。それがいい。わくわくする。博打的要素あり。どんな変化、現象が起きるかわからない。それがいい。


結果、どうだっただろう。果たして、今回も法則が正常に作動した。めちゃめちゃおもしろかったのだ。



開口一番は、きいちさん。初きいちさん。そしてそのきいちさんが「お面接」。ハキハキしていて聞き取りやすいし元気だし、自分の噺みたいに演ってるし、人の新作をやっている前座さんには全く思えませんでした。笑いました。この噺、もらっちゃえばいいのにと思いました。昇々さんと同じような奇天烈遺伝子を持つ人なのかもしれない。古典の噺も、こんなにイキイキとしてる人なんだろうか。


遊京さんは「そうおん!」。本編よりも、山形で芋煮を喰った話に惹かれました。山形出身者の俺としては。


志ん吉さんは「待ちわびて」。「昭和元禄落語心中」のワンフレーズだとか、古典落語「初天神」の登場人物が100歳の義父と、その父(120歳)だったとは!なんという意外性も入れ込んでの「待ちわびて」。


正太郎さんは「部長の娘」。今夜一番も盛り上がり。トリの昇々さんが言っていたように「自分のものにしていた」。完璧に。こういう瞬間に立ち会えるから生落語は止められんのだ。原作:春風亭昇々 落語:春風亭正太郎の「部長の娘」。


まず、序盤の「(結局のところ)ゴリラなのかよ!」の畳みかけが抜群だったし、昇々さんの本寸法では部長(豚子の父)が普通の部長だったのに、正太郎バージョンでは「ゴリラ部長」としてキャラが完成されていた。確立していた。全く違和感がなかった。むしろ、後から本寸法を聞いたら「そうじゃないのか…」とがっかりしてしまうくらい無色の部長に鮮やかな色がついていた。そしてから登場するのが娘の豚子。ゴリラと豚。もう最高。最高of最高。白鳥師匠作の新作「任侠流山動物園」を想起したのは俺だけではないはずだ。もうシリーズ化して欲しいくらいだわ。「任侠流れの豚次伝」を演る三三師匠のようでもあった。自分でも引くくらい大きな声を出して笑っていた。まさしく本気の大爆笑。また聞きたい。正太郎さんにネタだしされたら速攻でチケットを予約すると思う。


お仲入り。研鑽会のチケットを手売りに出てきた志ん吉さんが言う。「豚子(正太郎さんのこと)からチケットが変えるのは今回だけですよー!」


小辰さんは「誰にでも青春~番外編~」。本寸法の「誰にでも青春~番外編~」をスクラップ&ビルドしてた。これは扇辰師匠の方法と同じなのでは?と感じた。以前、白鳥師作の「任侠流れの豚次伝」をリレー方式で演った際、扇辰師匠が「ばらばらにして、自分でやりやすいように再構成した」みたいなことをおっしゃていたから。


トリの昇々さんは、各自のネタ名と昇々的本寸法を軽くやってくれた後、さらっと「生徒と先生」を。みんなに負けじと自己PRするのではなく、昇々トリビュートという会らしく、他の演者さんたちに華を持たせた格好(ではないかと俺は感じた)。派手な終わり方ではないのが通常の寄席の流れとは違って凄く良かった。



ちなみに、行けなかった前回~裏研精会 春風亭昇々トリビュート2017/5/26(金)は、こちらの顔漬けとネタ。


柳家小多け:「手紙無筆」

桂 宮治:「最終面接』」

柳亭こみち:「廻る家族」

古今亭志ん吉:「Dear.パパ」

―お仲入り―

柳亭市童:「あごびよん」

入船亭小辰:「産まれる!」

春風亭昇々:「落語の掟」


昇々さん曰く「まだまだ、みんなにやってもらえるようなネタが40くらいある」とのことでしたので、「昇々トリビュート3」は当然のこととして、毎年の11月の暮れの好例行事にしていただけないかなと、かように思う次第であります。



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