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第4回ミーリーコレクション露の新治チャリティー寄席(夜の部) 主催:NPO法人東北笑生会


第4回ミーリーコレクション露の新治チャリティー寄席 主催:NPO法人東北笑生会


露の新治:「竜田川」

ご挨拶(増子代表理事長)

露の新治:「胴乱の幸助」

仲入り

三遊亭絵馬:紙切り(寿/招き猫/犬神家の一族/新治師匠/おから/カルロスゴーン/小沢さん)

露の新治:「中村仲蔵」


白金台の高級ペルシャ絨毯屋さん「ミーリーコレクション」店内で行われた、NPO法人東北笑生会主催の露の新治師匠のチャリティー寄席と言う名の独演会(?)。夜の部。人気に付き昼公演が昼夜公演に。


9月に開催された「NPO法人東北笑生会 露の新治落語会@深川江戸資料館」の流れからの、今回の会。「お客様から新治師匠の東京での落語会を定期的に開催して欲しいとリクエストがあった」と増子代表理事の挨拶があった。俺としては(そりゃそうだろう)と思うと同時に、露の新治師匠の会を東京で定期的に開催してくれるNPO法人東北笑生会には感謝しかない。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。もっともっと定例化すると良いですね。


高級ペルシャ絨毯屋さんが会場だけあって、高座は絨毯製。「総額1億円以上もする高座」と師匠がマクラで。後ろ幕も高級ペルシャ絨毯屋。


開口一番は「竜田川」。後付け解釈、強引な理由づくりが楽しい江戸落語でいうところの「千早ふる」。無学者の気持ちになってしまう(世界に引き込まれて、ふむふむと聞きいってしまう)のが師匠の話芸の凄いところ。


次は「胴乱の幸助」。米朝師匠亡き現在、新治師匠の「胴乱の幸助」が、生で聞ける関西弁「胴乱の幸助」の最高峰ではないかとすら思う。トリネタでもおかしくないほど結構な長講なのにも関わらず、飽きさせないで客を着いてこさせる(魅了し続ける)話芸があった。浄瑠璃「お半長右衛門」の一節を語る(言い立て?)も粋でカッコ良い。美しい。端正だ。「アホばっかりやないか!」とか関西弁のセリフ(漫才じゃないのでツッコミとは書きたくない)が溜まらない。


トリネタは、以前人形町らくだ亭で聞いて鳥肌が立った大好物の「中村仲蔵」。これがネタだしされていたから、なおさら慌てて予約を入れたのだ。


今夜の師匠の「中村仲蔵」も良かった。だが、敢えて言うと、このネタは会場も重要な成功要素になると思う。歌舞伎が題材の噺だからこそ特に。なので、以前人形町らくだ亭で聞いて鳥肌が立った「中村仲蔵」とまでは行かなかった。ある程度の規模の会場、舞台装置がしっかりあり、演出補助を果たしてくれる環境でやると、この噺「中村仲蔵」の凄さはさらに圧倒的なモノになる。残念ながら、ペルシャ絨毯の環境では日本橋公会堂よりも効果は薄かった。少し広めで奥行きのある木の舞台空間で、腕の立つ落語家が孤高に演じてこそ(舞台と客席に距離が少しある方がいい)、この「中村仲蔵」の威力は炸裂すると思う。


しかし、今夜の「中村仲蔵」がダメだったわけではない。目の前に居酒屋があったし、月代(さかやき)を伸ばした不良要素満載の侍・三村新次郎はそこに居たし、雨に濡れていたし、濡れた髪の毛から水しぶきが客席に向かって飛んで来たし、お銚子2本をどんぶりにどばどば入れて美味そうに呑んでいた。舞台上には仲蔵の演技上の工夫がありありとわかった。黒羽二重を着てたし、帯は白かったし、差していたのは派手な朱鞘だったし、手に持っていたのは黒い蛇の目だったし、手桶で水を浴びたからびしょ濡れだったし、口から垂れる血糊も見えた。相変わらず所作が美しい。特に傘の扱い。


関西弁の仲蔵に対し、彼をインスパイアさせる不良侍は江戸弁。このコントラストが見事なのも師匠ならでは。俺を含めた客たちは、五段目を見ていた客たちと同じく息を飲んで聞いていたし、ため息も漏れた。高座が終わって帰ろうと背後を見ると、ご婦人たちが泣いていた。まったく師匠ときたら…。



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