柳家小太郎独演会「とうとう独り 大盛り」@日暮里


5月のチケットも買った。いくしかないっしょ。心地よいのだから。

柳家小太郎独演会「とうとう独り 大盛り」@日暮里


柳家小太郎:「弥次郎」

柳家小太郎:「蒟蒻問答」

―仲入り―

柳家小太郎:「幾代餅」



小太郎さんの独演会「とうとう独り」は、いつもは落語協会の2階で開催されている月に一度ペースの勉強会(ひとりで三席)。その「とうとう独り」が「とうとう」、会場を変えてホール落語に。今夜がその記念すべき一回目。


ハコ(会場)は大きくなったが、今夜も一人で三席。ホームグラウンド。全員、小太郎ファン(恐らく)。うれしそうな小太郎さんを見てると、俺もうれしい。


まずは新年ということで、新年にやっているお寺さんでの落語会の話から。その流れで十二支の小噺を子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌まで順繰りに。小太郎さんのサービス精神からだろうな。


で干支の最後「亥」の小噺は見つからない。落語ならある。ってことで「弥次郎」へ。陽気でいい。


「大正大学仏教学部の出身です」というくだりからの、「禅」のマクラ。


そもさん(什麼生)!せっぱ(説破)!や「禅問答」の真髄についての本粋の話。小太郎さん真面目モード。意外にアカデミック、相当理知的。今夜のようなことがお話になれるのなら、先生(教師)ができると思いますよ、小太郎さん。


御仕舞いは「なぜ、山にのぼるのか。そこに、山があるからだ」というイギリスの伝説的登山家、ジョージ・マロリーが口にしたという有名な言葉。これが禅問答の最たるものなのだそうだ。奥深い。


で、思った通りにネタは「蒟蒻問答」。変な入れごともなく、基本に忠実なのに、想像以上のでき。満足感。古典て素晴らしい。小太郎さんが諸国行脚の雲水に見えた。立派な凛とした雲水に。



最後は「幾代餅」。恐らく、さん喬師匠譲りなのだろう。でも、そこには「小太郎み」がふんだんに。


大爆笑の連続高座ももちとん大好きだが、笑いのツボを押さえつつ丁寧に構築された高座も大好物であります。


名前は小(太郎)でも大きく見えた今夜の小太郎さん。大きく見えたのは会場のせいでも後ろの金屏風のせいでもないだろう。


正統的でありながら、高慢ちきでもなく、上からでもなく、嫌味もなく、独りよがりでも押し付けでもなく、かと言って媚びるわけでもない。


泣けた!とか、大爆笑!とか、そんなんじゃない気持ちよさ。読後感ならぬ終演感。


(大サービス過ぎて、熱演過ぎて)聴いてて疲れたわ、とか、期待外れだったな、とか、渋みのある落語でしたな。と言った高座もある中で、今夜の会は大変に気持ちよかったです。


演者と客。客からしたら、心地よさという意味である種の完璧な距離感での三席。しかも、かまない、口跡がいい、聞き取りやすい(これは話芸のプロとしたら当たり前なことかもしれない)。


シンプルに落語が楽しかった。落語が気持ちよかった。(程よいという意味での)完璧な満腹感。「小太郎み」、ご馳走様でした。





「芸人が化ける」という言葉がある。若い頃は下手だった落語家が、ある時、急に上手くなることを言う。


小太郎さんのように上手い二つ目が、さらに上手なステージ次に進むことはなんと言うのだろう。


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