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Re-design makes you Happy.

デザイン的には全くたいしたことのない「くがらく」のチラシが、思いのほかもてはやされる4つの理由。

今や、100名以上のお客様をコンスタントに集客する大田区久が原の地域落語会「くがらく」。次で16回目になろうとしています(2018年8月1日現在)。ここに関わらせていただいて、早くも数年。最初は小さな土間からでした。


さて、プロのグラフィックデザイナーや、広告業で生きるプロからしたら、デザイン的には全くたいしたことがない「くがらくのチラシ」。このグラフィックデザイン的には全くたいしたことのない「くがらく」のチラシが、思いのほかもてはやされるには理由があります。大変ありがたい声をたくさん頂戴するので、良い機会なので過去の経緯を棚卸しようと思います。


なお、チラシに対して、ここまで失礼にも言い切れるのは、弊社、ミウラ・リ・デザインとして、プロのグラフィックデザイナーではない私(マーケティング・プロデューサー)がすべてを1人で制作しているからであります。デザイン的に至らない未熟な部分が多多ありますが、それはすべて私一人の責任です。


さて。今でもそうですが、世間の落語会のチラシは無数にあります。ネット全盛の時代ですが、いまだに紙のメディアが集客効果をもたらしているのです。


数年前、「くがらく」主催者に「チラシを作りたい」という相談を持ちかけられたとき、私が考え、提案したのは次のような仮説でした。


仮説

  • 落語会の集客に効果があるのは、第一に「チラシ」のはず。(なぜなら無数に存在するから。効果があるからみんな作るのだろう)

  • SNSやネットの告知で知って予約したり、来てくれるお客さんは、その一部に過ぎないのではないか。

  • 「チラシ」に価値を持たせたら捨てられにくいのでないか。

  • 捨てられにくいチラシは保存期間が長いから、いつか予約に結び付くかもしれない。


もちろんメディア別の集客効果は落語家さんによって異なると思います。20代~40代に人気の落語家さんはネット告知だけでも、ある程度の集客が出来ているのかもしれません。


が、しかし、ネット告知だけで必要十分だとは思えません。集客には絶対的に紙媒体、印刷メディアが欠かせないと思っています。そうでなければ、ここまで落語会でチラシが配られていないはずですから。もしかすると、それは落語ファンの多くが年配の方(ネットを駆使して暮らしている20代~40代ではない)であることが関係しているようにも思えます。


次に、この仮説をカタチにする(デザインする)ために、4つのポイントを掲げました。

  1. 他のより、大きくする

  2. 他のより、中身を充実させる

  3. 他のより、目立つようにする

  4. 他のより、ネットと密接に関係づける


その上で、具体的な「集客効果チラシ」にするための仕様(具体性)を

  1. 他のより、大きくする ⇒A3二つ折りサイズにする

  2. 他のより、中身を充実させる ⇒落語家さんのインタビューを載せる

  3. 他のより、目立つようにする ⇒まっ黄色にする(キーカラ―の設定)

  4. 他のより、ネットと密接に関係づける ⇒サイトを作り、コンテンツ連動

に決めました。徹底的な差別化戦略です。視覚(見た目。特に黄色は注意喚起の色で、視線を集めやすい)、触覚(手触り、大きさ)、味覚(食べるわけではないですが、味わい。読み応え)、聴覚(知りたい・聞きたい。インタビュー記事掲載)、嗅覚(落語家さんのチョイス。鼻が利く?先物買い?旬?)と「五感」に訴える作戦を採ることにしました。


実際この作戦を始めたのは第5回くがらく「春風亭昇也」さんの回だったのですが、インタビューしてみると、やはり、その内容量はA3二つ折りサイズにはとても納まりきらないことがわかりました。捨てるには惜しい情報ばかりだったのです。


想定通りでしたから、「くがらく」のホームページに(すでに告知用としては立ち上がっていた)インタビューの全容は記事として公開しました。ネットには紙面も印刷もありませんから、これならインタビューしたらした分だけ掲載できます。実際、回を追うごとにインタビューページは増えていきました。


インターネットにインタビューを載せることは「くがらく」のアーカイブ記事(いつまでも残る・いつでも見ていただける)にもなりますし、=宣伝にもつながります。落語会としては勿論、その落語家さんご自身の、です。



チラシではなく「コミュニケーションツール」


プロのデザイナーが手掛けた、凝った面白いユニークなおしゃれなチラシはたくさんあります。そんな群雄割拠の中、「くがらく」のチラシが評価を受けているとしたら、その一番の理由は確かな「コミュニケーションツール」になっているからだと思います。


一般的にチラシは、一方的に情報を発信する、息の短い告知媒体ですが、「くがらく」のチラシは双方向です。落語家さんの本音や矜持に触れる読んで楽しい記事あり、「くがらクイズ」あり、広告欄あり。しかも、ネットとリンクしているという。


実際に目にして大変感激したことがあります。


ある落語会に行ったときのことです。偶然、近くに座っていた方が、「くがらく」のチラシをご覧になっていたのです。最近のではなく、以前の回のチラシをです。保存しておいた方が、その落語家さんが出演する別の落語会に「くがらく」のチラシを持ってきて読んでいらっしゃる。


ある会では、「くがらく」のインタビュー記事自体をプリントアウトして持ってきて読んでいるお客様の姿も何回も見かけました。


私は企画者として、また「くがらく」に携わる者として、これらの体験がとても嬉しかったですし、何よりも「保存してもらえるだろう」というこちらの狙いが見事に当たったことも飛び上るほど嬉しかったです。心の中でガッツポーズをしました。仮説が実証されたわけですし。


「デザインをこう変えた方が良いのではないか?」「こういうコンテンツはどうだ?」というアドバイスを何度も頂戴しましたが、頑として基本軸は変えませんでした。大切なのは「定着させること」だとわかっていたからです。定着こそが信頼を生み、コミュニケーションを促進させるとわかっていたからです。


繰り返し、繰り返し、同じスタイルのチラシが世間に配布される。


繰り返し、繰り返し、同じスタイルのインタビューページがネットの中に蓄積される。


この効果を信じてもらうのは容易なことではありませんが、「継続は力なり」というのは事実なのです。その意味において、私の頑固さを支持し、ここまで会を大きくしてくれた主催者及び関係各位の愛と情熱と、その物語に敬意を表します。


どうか「くがらく」が第99回まで続きますように。(サイトの数値管理が2ケタなので、最大99なんです)


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